機械の頭には根付かない言葉

情報の検閲・編集・改竄・捏造・歪曲・操作によって、消滅することが決定付けられている日本で。

 自己愛性障害というのは自己が内面に形成されないまま、大人になってしまった状態です。自己が形成されていないというのは、自分と向き合えないということです。なので、自と他の境界線がわかりません。

 たとえば自分の欲求が、自分の欲求では無いように感じています。これは相手の欲求なんだ、これはとにかく自分から出ている欲求ではないんだ、と自分から出ているものを捉えている状態です。自分と向き合えないというのは、成長できないということです。そうなると、自分が走らない、ということが、みんな走ってはいけない、と自己愛性の中では置き換わっています。しかし、そのような感覚を持っておこなっているのではありません。自己愛性者にとってはあくまでも、それは自分自身の内面から出てくるものではないのです。自己という意識が内面で確立していないために、それがわからないのです。

 これはいったい自分の欲求なのか、これはいったい相手の欲求なのか。これはいったい自分の内面なのか、これはいったい相手の内面なのか。自他の境界を持たないために自分と他者を内混ぜにして、そこから自分にとって都合の良いものだけを摂取し、自分にとって都合の悪いものは除外します。これが自己愛性者が、与える者ではなく奪う者であるポイントです。自分と他者を同じように混ぜるのであれば、考えようによってはフェアなのではないか、と思ったかもしれません。しかし、そもそも自己愛性障害というのは自己が形成されていない者のことです。なので100と100を混ぜたら本来は200があるはずですが、自己愛性者は自己という中身が空っぽであって僅かしか無いので、合わせても100とか110とかになります。そして、そこから自己愛性に取って都合の良いものだけを取っていく。つまり奪う者となるわけです。他者に何かを与えるためには、自分自身と向き合うことによる自己の確立がまず必要ということです。